シリーズ「教育ってなんだ?」第5回/西野博之さん

いじめ、不登校、非行――本来なら同じ歳の子たちと、遊びながら、学びながら、成長していく場である学校に深刻な問題が多発している。この事態をわかっていながら、ほぼ放置しているといっても過言でないのが日本社会だ。いまの学校教育制度は百五十年前にできた。それから起きた世の中の変化はすさまじいものがある。しかし学校教育制度は変わっていない。そこに多くの子どもたちを苦しめている原因があるのは間違いない。もちろん文部科学省にも公教育に変化をもたらそうという動きはある。だが、もう子どもたちを苦しめてはならない。もっと早く、もっと劇的に公教育を変えなくてはならない。苦しむ子どもたちに寄り添い、不登校になった子どもたちの居場所づくりをしてきた西野博之さんに、公教育をどう変化させたらいいのかを聞いた。

連載

フォトエッセイ

ジャーナル

【特集】
都市に第二の森林を! 
―木造礼賛 その知恵と魅力を再発見―

木造といえば寺社仏閣というイメージがあります。風雪を耐え、古びた佇まいに魅せられる人は多いですね。いっぽう木造住宅となると、倒壊や燃えやすいといったことから敬遠されがちです。しかし専門家の話を聞けば、いいことがたくさんある。森林を育て、木材を活かして街に建築物をつくる。そんな 持続可能 なシステムを作ることは可能なのか。木造建築をとりまく環境や課題などを探ってみました。

望星インタビュー

BOOKS

月刊『望星』サイト

これまでの各号の目次や立ち読み記事、歌壇・俳壇、書籍案内などを掲載しています。

編集部より

若い方々にはピンと来ない話だと思いますが、昭和20年代とか昭和30年代という言い方、書き方があります。敗戦からの復興、高度経済成長といった時代の空気をまとい、多くの人に共通したイメージ、それもわりと強烈なイメージを想起させる。30年代などは西岸良平さんの『三丁目の夕日』の世界ですね。 

ところが昭和40年代となると、20年代、30年代と比べて醸し出すものが薄くなるように思えます。以降、元号で時代をくくるのがどんどん困難になってくる。昭和50年代、昭和60年代、平成ヒトケタ、平成10年代と言われてもまったくピンときません。 

元号でくくるのが無理となってきて、代わりの言い方、書き方になるのが1970年代です。1970年前後には三億円強奪事件、東大安田講堂の攻防、全共闘運動、三島由紀夫割腹自殺など、人々に大きな衝撃をもたらした出来事が連続しました。インパクトが強かった。 

強いて明るい話題といえば大阪万博でしょうか。1970年のコンニチワです。「人類の進歩と調和」を掲げました。そのスローガンのウソくささに気づいていた岡本太郎先生の「太陽の塔」だけが、万博遺産として今も残っている。 

あれから55年。進歩したのはテクノロジーだけで、人類の調和とはほど遠い状況を呈した世界に見えます。今回は、「いのち輝く未来社会のデザイン」。これを掲げたということは、「現状、いのちは輝いていないから、未来に輝くように」なのでしょう。「対話と共創による持続可能な成長を促進する」とも言っています。なんか陳腐。ですが、真摯に受け止めることにやぶさかではありません。はい、真摯に受け止めますよ、いくらでも真摯に受け止めます。 

なんでもかんでも真摯に受け止めてさえおけば、許されるみたいなので。 (石)


1970年の創刊から2020年までの月刊『望星』の誌面をすべて収録したアーカイブ。過去の全記事が簡単な操作でお読みいただけます。会員登録(有料)が必要です(現在準備中です)


インフォメーション

各展覧会、催しに招待券を用意しています。ふるってご応募ください。

アーカイブ


書籍のご案内


error: コンテンツは保護されています