【フォトエッセイ】星空をめぐる旅、そして物語◎永田美絵——第16回/冬の大三角形、そして冬のダイヤモンド

第16回 冬の大三角形、そして冬のダイヤモンド

 2月の夜空には明るい星が勢ぞろいします。 
 1等星ばかりがずらーっと輝くので、まるでアベンジャーズのようなヒーロー勢ぞろいといった感じ。都会でも見つけやすいのでぜひ探してみてください。 

 まずは有名なオリオン座。 
 長四角の中にみつぼしが行儀よく並ぶ星並びが目印ですが、狩人オリオンの肩に輝く赤い星が1等星のベテルギウス。みつぼしを挟んで反対側に輝く青白い星がリゲル。日本では平家星、源氏星とも呼ばれます。 

 オリオン座のみつぼしを結んで下に伸ばすと、星座の星の中で最も明るいおおいぬ座のシリウスが見つかります。 
 シリウスは日本では大星、古代中国では天狼星、エジプトではナイルの星と、世界中で名前が付けられているとても明るい星です。 

 シリウスはエジプトではナイル川の氾濫の時期を教えてくれる星でしたが、シリウスより少し前にのぼってくる星がこいぬ座のプロキオン。シリウスを探す、目印の星です。 

 オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んだ三角が冬の大三角。きっと聞いたことがあると思います。 

 オリオン座のみつぼしを上に伸ばすと、今度はおうし座のアルデバランが見つかります。アルデバランは「あとに続くもの」という意味で、プレアデス星団、日本名ですばるの後に続くように見えます。 
 すばるは5~6個ほどの星が集まっていて、双眼鏡で見るのがおすすめ。とても綺麗な星の集団です。 

 おうし座の角から星を五角形に結ぶと、ぎょしゃ座が見つかります。ぎょしゃは馬車を運転する人のこと。ぎょしゃ座のカペラはシリウスに次いでとても明るく見えます。 
 おうし座の隣にはふたご座のカストルとポルックスが見えます。 

 おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、そしてオリオン座のリゲルを結んだ六角形が、冬のダイヤモンドです。 
 これだけでも明るい星が大集合しますが、さらに今年はふたご座の中に明るい木星が輝いています。人気スターの中にさらに大物スターが入った感じ。 

 しかし、みなさん。1等星はもう一つあるのです。 
それはシリウスよりずっと下。南の地平線近くに輝くりゅうこつ座のカノープスです。 
 なんとシリウスに次いで全天で二番目に明るい星ですが、あまりに低いため見ることが大変難しい星です。 
 日本国内では福島県より北では見えません。 
 2月の宵空はカノープスを見るチャンスですので、できるだけ南側が開けている場所で探してみてはいかがでしょうか? もしも地平線近くに明るい星が見つかれば、とてもラッキー。 

 カノープスは見つけると長生きができる、と言われている縁起の良い星なのです。冬のきら星をお楽しみくださいね。 

冬の星座 写真提供=佐々木勇太(旅する星空解説員)
永田 美絵

ながた・みえ コスモプラネタリウム渋谷チーフ解説員。東京・品川生まれ。東京理科大学理学部物理学科卒業。キャッチフレーズは「癒しの星空解説員」。2000年からNHKラジオ第一『子ども科学電話相談』の「天文・宇宙」の回答者を務める。ご自身の名がついた小惑星(11528)Mie がある。著書に『カリスマ解説員の楽しい星空入門』(ちくま新書、2017年)など、監修に『小学館の図鑑NEO まどあけずかん うちゅう』(小学館、2022年)、『季節をめぐる 星座のものがたり 春』(汐文社、2022年)などがある。 コスモプラネタリウム渋谷の公式ホームページはこちら

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