-
【BOOKS】矢野利裕著/『「国語」と出会いなおす』◎佐藤康智
「国語」と「文学」の雪解けにむけて 歳をとると、昨日読んだ本の内容すら忘れがちになる。のに、若い頃に読んだ本の内容は、いまだ忘れられず、脳にこびりついている... -
【BOOKS】アーナルデュル・インドリダソン著 柳沢由実子 訳/『黒い空』◎澤一澄
悪事も子どもの悲しみをも描くアイスランドのミステリー アイスランドのレイキャヴィーク警察犯罪捜査官エーレンデュル・シリーズ八作目。残念ながら、寡黙で粘り強い... -
【BOOKS】小林貞夫 著・小林奈々 絵/『今日誰かに話したくなる野菜・果物学』◎松永裕衣子
それはなぜ誕生し、私たちの口に入るようになったのか? 私たちが日ごろよく目にする草花、日々何げなく口にしている野菜や果物にも、思いがけない性質や背景があるこ... -
【BOOKS】和田傳著/『和田傳短編集【令和版】第一巻 少年少女に贈る五つの物語』◎松永裕衣子
土の匂いがするような、懐かしく素朴な物語 半世紀におよぶ作家生活のなかで、一貫して土に生きる人々の生活を書き続けた農民文学者・和田傳[つとう]。本短編... -
【BOOKS】滝口悠生著/『たのしい保育園』◎佐藤康智
〝子をめぐる記録〟をめぐる記録 保育園児の「ももちゃん」と、文筆業を営む父親との日々が、当人たち、母親、保育士、パパ友、近所の人など、いくつかの視点か... -
【BOOKS】パーシヴァル・エヴェレット著 木原善彦 訳/『ジェイムズ』◎澤一澄
『ハックルベリー・フィンの冒険』をひっくり返す!? 全米図書賞・ピュリツァー賞ほか数々の賞を受賞した、2024年のアメリカ文学界の話題小説。マーク・トウェインがア... -
【BOOKS】伊藤裕著/『老化負債――臓器の寿命はこうして決まる』◎松永裕衣子
なんと、臓器は若返る! 老化の原因を探り、健康長寿をめざす〝アンチエイジング〟医学。本書は日本抗加齢医学会の理事も務める内科医が臓器若返りの方法につい... -
【BOOKS】梶原阿貴著/『爆弾犯の娘』◎佐藤康智
人生の不思議な導火線 1971年は日本で爆弾事件が激増した年だった。立花隆『中核VS革マル』によると、「この年、六十二件の爆弾事件があり、三百三十六個の爆弾が発... -
【BOOKS】ブレイディみかこ 著/『SISTER “FOOT” EMPATHY』◎澤一澄
世直しは〝共感力〟あってこそ タイトル『SISTER “FOOT ” EMPATHY』は、「シスターフッド」――女性同士のつながりや絆のことに「フット(足)」をかけて、足もと... -
【BOOKS】茨木のり子著/『歳月』◎松永裕衣子
この詩集でしか出会えない、茨木のり子の胸中 強く優しく、凛とした佇まいの詩人、茨木のり子さん。彼女が生涯変わらぬ愛情を注いだのが、二十三歳で結婚して以来、二...