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【BOOKS】樋口尚文著/『砂の器 映画の魔性』◎佐藤康智
「紙吹雪の女」はいかに撮られたか 松本清張の小説『砂の器』は、これまで何度も映像化されているが、本書が取り上げるのは野村芳太郎監督による1974年公開の映... -
【BOOKS】阿部恭子著『近親性交―語られざる家族の闇』◎池上正示
「親・きょうだい」は暴力装置にもなる 地方の町で、二十七歳の青年が同じ歳の男性を刺殺した。加害者Aと被害者Bは高校まで一緒で、Aは大学卒業後、父が... -
【BOOKS】ハン・ガン著 井手俊作 訳/『少年が来る』◎澤一澄
光州事件で少年は何を見たのか 2024年のノーベル文学賞は、韓国の小説家ハン・ガンが受賞した。選考委員会は「ハン・ガン氏の力強く詩的な散文体の文章は歴史的... -
【BOOKS】渡辺賢治著/『メンタル漢方 体にやさしい心の治し方』◎松永裕衣子
自分の体は自分で守る! 漢方はその味方だ 江戸時代の儒学者・貝原益軒が著した『養生訓』は、健康長寿を保つための指南書として名高いが、... -
【BOOKS】村田沙耶香著/『世界99』◎佐藤康智
あなたの知らないわけではない世界 芥川賞受賞作『コンビニ人間』が多くの言語に翻訳され、世界各国に読者を持つ作者による最新長編小説が本書だ。上下巻で800ページ... -
【BOOKS】R・F・クァン 著・古沢嘉通 訳/『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』(上下)◎澤一澄
「翻訳」という魔法を核とした歴史ファンタジー バベルの塔とは、『旧約聖書』によると、人間が天にも届く塔を作っているのに怒った神が、一つだった言語を分けたため... -
【BOOKS】田中友也著/『心と体を整えるおいしい漢方』◎松永裕衣子
旬のものを食べるのがいいのは、なぜか? 東洋医学において最も大切とされる概念のひとつ、「養生」は奥深い言葉だ。一般に養生とは、生活習慣に注... -
【BOOKS】長谷川晶一著/『神宮球場100年物語』◎佐藤康智
青く冴えわたる球場の記憶 本書裏表紙には、とある日の神宮球場におけるヤクルト−巨人戦の、バックスクリーンが映った写真が使われている。電光掲示板に懐かしい選手... -
【BOOKS】青木真兵・光嶋裕介・白岩英樹 著『ぼくらの「アメリカ論」』◎澤一澄
アメリカの「草の根デモクラシー」は再生をめざす 2017年に第四十五代アメリカ大統領となったドナルド・トランプ氏が、今年再び第四十七代の大統領に就任した。今、世... -
【BOOKS】平久美子著/『ネオニコチノイド 静かな化学物質汚染』◎松永裕衣子
世界で規制が進む危険な農薬を、なぜ日本は推進するのか? 1990年代初頭に登場した新たな農薬、ネオニコチノイド系殺虫剤。従来の農薬に耐性をもつ害虫に...