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シリーズ「教育ってなんだ?」第7回/今井むつみさん
間違った情報が氾濫する現代社会にあって、本質的な情報を見極め、それを活用して問題解決につなげていく。こういうことができる人を育てていくことこそが教育の役割だ。文部科学省が掲げる〝必要な学力〟も、知識の詰め込み教育から離れる方向にある。だが、それを阻止しているものがある。受験教育だ。弊害が大きすぎるのではないか。学びとは? 学力とは? 今井むつみさんに聞いた。
シリーズ「日本の医療の現在地」
日本の社会には課題が山積しているが、医療もその一つ。健康や生死に関わる分野だけに課題解決は待ったなしのはず。医師不足、病院不足という事態はなぜ起こったのか? 少子化に歯止めをと言っているのに産婦人科がない地域があることの矛盾。出口はあるのだろうか。医療の専門家の方々に話を聞いた。

これまでの各号の目次や立ち読み記事、歌壇・俳壇、書籍案内などを掲載しています。
編集部から
三山喬さんが連載「戦後史探検」で手塚治虫の活躍を中心とした戦後の漫画について書いてくれました。そこで綴られた三山さんの実感は、私の実感でもあります。ただ漫画少年というほどでもなく、それほど多くの作品を読んだわけでもないのですが、ちばてつやの漫画は比較的よく読みました。『ハリスの旋風[かぜ]』『紫電改のタカ』『あしたのジョー』『のたり松太郎』などなど。
その下地があって、やがて『月刊漫画ガロ』を読むようになり、つげ義春や永島慎二の作品と出会います。ここらへんからちょっとスネ者になり、ショーケンと水谷豊による毒気満載のテレビドラマ『傷だらけの天使』が決定打となって、普通でマトモな世間と話が合わなくなってしまいました。
それでも人道にもとるようなことはせず、人並みの正義感とヒューマニズムを持っているのは、子どもの頃読んだ漫画のおかげです。つげ義春はちょっと別物ですが、漫画の主人公たちの素朴な正義感は、さして勉強もできないボンクラ少年の血肉となったわけです。特撮テレビ番組『サンダーバード』の影響も大きいな。小説『鬼平犯科帳』もだ。おっと落語も……と書いていくとキリがないのでこのへんで。
単純な子どもだったといえばそれまで。時代もそれほど複雑ではなかったのかもしれません。しかしSNSが猛威を振るう世の中は複雑さを増し、何がなんだかよくわからない。何が正しく何が間違っているのか? 素朴な正義感など「そんな、きれいごと」と一笑に付される事態。戦後漫画が築いた財産はこっぱみじんとなってしまったのでしょうか。(石)
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