佐藤康智– tag –

人生の不思議な導火線  　1971年は日本で爆弾事件が激増した年だった。立花隆『中核VS革マル』によると、「この年、六十二件の爆弾事件があり、三百三十六個の爆弾が発...

「紙吹雪の女」はいかに撮られたか  　松本清張の小説『砂の器』は、これまで何度も映像化されているが、本書が取り上げるのは野村芳太郎監督による1974年公開の映...

あなたの知らないわけではない世界 　芥川賞受賞作『コンビニ人間』が多くの言語に翻訳され、世界各国に読者を持つ作者による最新長編小説が本書だ。上下巻で800ページ...

青く冴えわたる球場の記憶 　本書裏表紙には、とある日の神宮球場におけるヤクルト−巨人戦の、バックスクリーンが映った写真が使われている。電光掲示板に懐かしい選手...

自縄自縛の試行錯誤   　1995年公開のアニメ映画『耳をすませば』（近藤喜文監督、宮﨑駿プロデュース）は、ヒロインの中学生・月島雫が謎の少年と出会い、将...

三題噺の代々のダイナミズム  　観客から三つのお題をもらい、それらを盛り込んでオチのある話をこしらえるのが三題噺［さんだいばなし］である。かつて朝日放送制...

プロットの鍵明かします   　小説家の清水義範は、高校時代に映画館で観たビリー・ワイルダー監督作品『あなただけ今晩は』の面白さに心奪われたのをきっかけ...

時をかけるアン・シャーリー  　すごく楽しい局面を「愉快きわまる」と言い、すごく悲しい状態を「絶望のどん底」と形容し、アイスクリームの味を「崇高」と表現せ...

芸術か!?　爆発か!?  　しゃれたストリートアートを展開し、〈日本のバンクシー〉と世間から呼ばれる正体不明の存在「ブラックロータス」の意図を、フリーライター...

激動と葛藤の〝鯨合戦〟史  　日本の捕鯨問題といえば、料理漫画の定番『美味［おい］しんぼ』（作・雁屋哲、画・花吹アキラ）の「激闘鯨合戦」回をまっさきに思い...