【info】ヴェドゥータの巨匠　日本初の展覧会『カナレットとヴェネツィアの輝き』

ヴェドゥータの巨匠　日本初の展覧会
『カナレットとヴェネツィアの輝き』

　劇場の舞台美術家を父にヴェネツィアに生まれたカナレット（1697～1768）は、1719年にオペラの舞台美術の仕事のため父に伴いローマへ赴き、そこでこの地の景観画家と知り合ったと言われている。

　18世紀イタリアでカナレットが確立した「ヴェドゥータ（景観画）」は、グランド・ツアーでイタリアを訪れた英国の上流階級が旅の記念としてこぞって求めたいわば「名所絵」。精密な透視図法を用いて緻密に描かれた街並み、晴朗な空や輝く水面、そして共和国時代の栄華をしのばせる祝祭の光景など、カナレットが残した数々のヴェドゥータを通じて、現在も変わらぬ姿をとどめる世界遺産の街・ヴェネツィアを体感することができる。

　本展では、スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承しヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせて紹介する。