月刊『望星』は2024年11月から『web望星』として再スタートを切りました。

【info】『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』

 豊かな色彩に溢れる現代社会。私たちの身の周りには空の色、自然の色、街並みの色、生活用品の色などに加えて、さまざまなサイズの画面が表示する色があり、最新のモニターやスマートフォンにおいては10億色を超える色の再現力をもつと言われている。

 大きな変革を迎えた21世紀の社会に生きる私たちは、写真や動画あるいはゲームをスマホやPCモニターで見る機会が圧倒的に増え、現実の色よりも画面を通して経験される「仮想の色」に慣れつつある。物質と精神をともに豊かにしてきた「本当の色」がいよいよ身近に感じられなくなっているかもしれない。

 本展では、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割についてあらためて考察。チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の歴史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直す。

 日々研究を重ね、独自の表現方法を編み出し、時代を表してきた美術家たち。彼らが人生をかけて生み出した色彩の秘密に目を向けてみれば、あなたの日々の暮らしに彩りをもたらし、自身のなかに眠っている「本当の色」を呼び覚ましてくれるのではないだろうか。

アンリ・マティス《リュート》1943年
ポーラ美術館
information

【会 期】開催中~2025年5月18日(日)
【会 場】ポーラ美術館(神奈川・箱根)
【開館時間】9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
【休館日】会期中無休
【料 金】大人:2,200円、大学・高校生:1,700円、中学生以下:無料 ほか
【問い合わせ】0460-84-2111
【公式ホームページ】はこちら